腎臓病になったら運動制限が必要?腎臓病の私がラジオ体操をはじめたワケ

【運動療法】腎臓病患者の私がラジオ体操をはじめたワケ

腎不全になったら運動制限が必要と思っている方もいるかも知れませんが、そんなことはありません。
適度な運動は腎臓にも良いと言われているそうです。

この記事では腎症患者の私が普段心がけている運動と、最近始めたラジオ体操について紹介します。

適度な運動は腎機能低下を防止する

以前は運動は腎臓に負担をかけると言われていて、腎臓病の患者さんについては運動よりも安静がすすめられていたそうです。
しかし現在では適度な運動が腎機能の低下を防止する効果が注目され、運動療法が広く実施されています。

最近では、腎臓病患者の運動療法に着目した腎臓リハビリテーションという言葉が注目され、
腎臓リハビリテーション学会では、運動療法の「目的や期待される効果」としてガイドラインで以下のように定義しています。

目的や期待される効果

・CKD 患者では健常人に比べて身体機能が約7割に低下している
・CKD 患者は、心血管系合併症、腎性貧血、骨強度の低下、神経障害など様々な合併症を生じる。これらはすべて身体機能の低下に直結しており、リハビリテーションによる複合的な改善効果が期待される
・CKD 患者では、筋肉などのたんぱく質の分解が亢進してエネルギーを消耗する protein-energy wasting(PEW)と呼ばれる状態に陥りやすい。また、ミトコンドリア機能異常により持久力が低下している。運動療法により、これらの CKD に関連した筋肉代謝異常が改善する可能性がある

腎臓リハビリテーションガイドライン P55

>> 外部サイトへ移動(腎臓リハビリテーションガイドライン)

高齢者の方はもちろん、私のように若年層の腎症の方も今から運動療法を実践して、将来、身体機能の低下や筋肉量の低下を予防していきましょう。

どんな運動をすればいいの?

腎臓リハビリテーションが腎機能改善・透析移行防止のための薬物療法、食事療法に続く新たな治療方法として期待されていることは分かりましたが、具体的にどのような運動をすればよいのでしょうか。

日本腎臓学会の生活指導ガイドラインによると、さまざまな腎臓の病気の進行度合いによってどの程度の運動療法が可能かを定めるために、生活指導区分が作成されていました。

普通生活軽度制限中等度制限高度制限安静
通勤
通学
制限なし2時間程度1時間程度30分程度
できれば車
不可
通勤内容普通勤務。
制限なし
肉体労働は制限、それ以外は普通勤務。
残業・出張可
一般事務。
深夜・時間外勤務・出張は避ける
一般事務。
深夜・時間外勤務・出張は避ける
勤務不可(要休養)
運動水泳・登山・スキー・エアロビクス軽いジョギング・卓球・テニスなど速足散歩・自転車散歩・ラジオ体操程度不可

>> 外部サイトへ移動(診療ガイドライン|一般社団法人 日本腎臓学会)

こちらのガイドラインを見ると、入院が必要なほど安静が必要な人を除いて、散歩やラジオ体操程度の運動は問題ないことが分かります。

ラジオ体操は意外と良い運動になる

前置きが長くなりましたが、私は最近毎日寝る前にラジオ体操をしています。

ラジオ体操は日本人なら誰もが一度はやったことがあると思いますが、
皆さんはラジオ体操の正しいやり方はご存知でしょうか?

ラジオ体操はちゃんとやると意外と良い運動になります。どうせちゃんとやるなら正しいやり方を覚えようと「DVD付き もっとスゴイ! 大人のラジオ体操 決定版」という本を買ったのですが、正しいやり方では、所々かかとを上げながらスクワットのようにひざを曲げなくてはいけないため、最初にDVDを観ながらラジオ体操をやったときは、翌日に筋肉痛になりました(笑)

私がラジオ体操を始めたきっかけは今の主治医に偏頭痛が多いことを相談したら、普段の姿勢が悪いことを指摘され、ラジオ体操を勧められたからでした。
猫背だったり姿勢が悪いことが偏頭痛の原因になることもあるそうです。

偏頭痛で毎回頭痛薬を飲んでいると腎臓にも負担がかかるため、可能であれば薬を使わず、偏頭痛を予防したいですよね。
私の場合はラジオ体操の効果がどうかは分かりませんが、普段から姿勢を意識するようになり、偏頭痛も以前よりは少なくなってきた気がしています。

日本腎臓学会のガイドラインでは、特に運動に制限のない方であれば、軽いジョギングやテニスなどは問題ないそうですが、毎日ジョギングをするのは大変ですよね。
ラジオ体操であれば毎日10分もあればできるので、運動療法の始めの一歩としても最適だと思います。

私の場合は腎機能への影響は今のところはまだ出ていませんが、ラジオ体操は猫背などの姿勢の改善にも良いので今後も続けていこうと思います。

食事療法、運動療法でなるべく薬に依存しない治療を

今回は私が腎臓病の運動療法として実践しているラジオ体操をご紹介しました。

腎臓病の治療は食事療法、運動療法、薬物療法などがメインになりますが、薬は基本的に対処療法で病気の根本的な治療にはなりません。
薬が腎臓に負担をかけることもあり、私は薬が原因で薬剤性の尿細管間質性腎炎になったので、極力薬を使わないようにしています。

食事療法、運動療法によって、なるべく薬に依存しない治療を心がけていきたいですね。
ただし腎臓病が高度に悪化している方や、透析中の方などは運動をしても問題ないか必ずかかりつけ医に相談してから実践しましょう。

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