腎臓病患者の水分補給はどうしてる?飲む水の量や種類など

腎臓病患者の水分補給はどうしてる?飲む水の量や種類など

今回は先日ブログのコメントでご質問いただいたテーマについて紹介します。

そのテーマとはずばり、

腎臓病患者の水分補給ってどうしている?

みよし
みよし

慢性腎臓病患者なら誰しも一度は気にしたことがあるのではないでしょうか。

私の場合も主治医から水分をよく摂るように言われています。

この記事では腎臓病患者に水分補給が重要な理由や、私が普段飲んでいる水の量や種類(水やお茶など)について紹介します。

腎臓病患者に水分補給が重要な理由

私の場合は暑い時期になると、腎臓内科の診察の度に水分をよく摂るように指導されています。

ところで、腎臓病患者に水分補給が重要な理由とは何でしょうか?

ちょうど先月の腎臓内科の外来の際にも、夏場は水分不足でクレアチニンが高くなりやすいので、こまめに水分補給をするように指導を受けました。

関連記事:2021年6月外来受診【夏はクレアチニンが高くなる?】

勿論、腎臓病患者でなくても暑い時期は脱水や熱中症には注意が必要ですが、腎臓病患者の場合は脱水による腎機能の低下にも注意する必要があります

みよし
みよし
どうして脱水で腎機能が低下してしまうの?

以前にブログでも紹介した「慢性腎不全保存期のケア 第三版」の中にはこのような説明がありました。

関連記事:佐中孜先生の「慢性腎不全保存期のケア 第三版」を読みました

<水分>

尿の浸透圧を測定すると、脱水時は1,000〜1,400mOsm/L、多少の水分接種時は50〜100mOsm/Lと、濃縮尿から希釈尿まで幅広く変化しているが、尿は、このような調節機構によって体外からの水分量に適宜、対応すると同時に、代謝産物を排泄して生体内の恒常性を保持しようとしてる。

腎不全では、このような濃縮力が低下しているので、ある程度の老廃物を排出するには1日1,500mL以上の尿量を必要とする。したがって、水分そのものの摂取量が1,000mL以下だと、腎に対して強力な濃縮機構の発動を強いることになり、腎機能低下を悪化させるおそれがある

慢性腎不全保存期のケア 第三版 132頁

少し難しい言葉で説明されていますが、簡単に説明すると、飲む水の量が少ないと(1L以下)、尿から老廃物を排出するために腎臓を酷使しなくてはならないため腎機能が低下しやすいということだと思います。

みよし
みよし
慢性腎臓病患者の場合は、残りの腎機能を維持するために、少しでも腎臓への負担を和らげることが重要です。

腎臓病患者の私が普段飲んでいる水の量や種類

私が普段から水分補給の際に飲んでいる水の量や種類(水やお茶など)について紹介します。

必要な水分量については、先程の本の内容からも目安として1L以下では腎臓に負担がかかる可能性があるので、1日に1.5L〜2Lほどを目安に飲んでます。

みよし
みよし
飲む水分の量については細かく計算している訳ではなく、腎臓内科の外来の際の24時間蓄尿でいつも1.5L〜2L程度の尿量があるため、それくらいの水分は摂取できているという判断をしいてます。

そして、水分補給の内容については、水やお茶からジュース、スポーツドリンク、コーヒーまで幅広く飲んでいます。

水やお茶、ジュース、コーヒーなど幅広く飲みます
お水やお茶、ジュース、コーヒーなど幅広く飲みます
みよし
みよし
お水やお茶はまだしも、普段からジュースやスポーツドリンク、コーヒーまで飲んでいるのに驚いた方もいるかも知れませんが、それぞれ理由があるので詳しく説明していきます。

お水やお茶

食事のときに飲む水分や、喉が乾いた際には、主にお水やお茶を飲むようにしています。

お水やお茶は勿論飲みます
お水やお茶は勿論飲みます

お茶は緑茶や紅茶などはカフェインが入ってる場合もあるので、普段の水分補給として飲むお茶はカフェインゼロのものを選ぶようにしています。

みよし
みよし
カフェインゼロのものを選んでる理由は後ほど紹介します。

ジュース(清涼飲料水)

お水やお茶以外に1日1本程度はジュースも飲むようにしています。

ジュース(清涼飲料水)も飲んでいます
ジュース(清涼飲料水)も飲んでいます

私は腎臓病のたんぱく質制限(1日40g)をしているため、どうしてもカロリーが不足しがちになってしまいます。

そのため、カロリーアップのために1日1本程度はジュースも飲んでいます

こういったジュースには100mLあたり、40〜50kcal程度のカロリーがあるため、500mLのペットボトルを1本飲むと、それだけで200〜250kcalのカロリーアップが出来ます。

みよし
みよし
ジュースを選ぶ際にはなるべく人工甘味料不使用のもの、そして塩分やたんぱく質が入っていないものを選んでいます。

参考までにC.C.レモン、カルピス、トロピカーナの場合は以下のような栄養成分表示となっています。

栄養成分表示(100mLあたり)

 エネルギーたんぱく質食塩相当量カリウム
C.C.レモン40kcal0g0.05g
カルピス47kcal0.3g0.04g
トロピカーナ W44kcal0g0.01g270mg

C.C.レモンの場合はカロリーも取れて、塩分はほとんど入っていないのでカロリーアップには適しています。

対して、カルピスやトロピカーナはたんぱく質やカリウムが高く、制限のある方は飲みすぎないように注意が必要です。

みよし
みよし

私の場合は腎臓の尿細管の病気なのでカリウムがいつも低くなってしまいます。そのためカリウム補給のために果物ジュースや野菜ジュースもよく飲みます。

私はジュースも好きなのでカロリーアップのためによく飲んでいますが、嫌いな方は別のものでカロリーを摂れば良いので無理して飲む必要はありません。

スポーツドリンク

スポーツドリンクは塩分が入っているため基本的には飲みませんが、汗を沢山かいた日には水分補給として飲む場合もあります。

汗を沢山かいた日の水分補給にはスポーツドリンクも
汗を沢山かいた日の水分補給にはスポーツドリンクも

私は1日5gの塩分制限をしていますが、主治医によると、通常のデスクワークなどの仕事であればそこまで汗をかくこともないため、水分補給のためにあえて塩分を摂る必要はないそうです。

ただし、長時間炎天下の中で運動をして沢山汗をかいたり、下痢や嘔吐などで水分が失われてしまった場合はスポーツドリンクで水分と塩分を補給するようにしています

みよし
みよし

私の場合は持病の潰瘍性大腸炎もあり、お腹を下しやすいので、下痢が続いたときもスポーツドリンクなどで水分補給をしています。

その場合は1日5gの塩分制限はあまり気にせずに水分と塩分補給の方を優先します

コーヒー

コーヒーもカフェインが入っているため、水分補給としては飲みませんが、嗜好品としてたまにコップ1杯程度飲むことはあります。

コーヒーなどの嗜好品もたまには
コーヒーなどの嗜好品もたまには

こちらのタリーズのブラックコーヒーの場合はカフェインが100mLあたり60mg含まれています。

カフェインには利尿作用があるため、水分補給としてはあまり適していません。

以前に栄養指導の際に管理栄養士さんに質問したところ、カフェイン自体が腎臓に悪いということはないため、利尿作用があるということを知った上で、その分多めに水分を摂るようにすれば飲んでも問題はないそうです。

みよし
みよし
利尿作用といってもコーヒーやお茶として飲んだ分の水分が全てすぐに尿として出てしまう訳ではないので、カフェインが含まれている飲み物でも多少の水分補給は可能です。

ちなみに、厚生労働省のサイトによると、カナダ保健省の場合はカフェインは健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)までと定めているそうなので、水分補給というよりは私は嗜好品としてたまに飲むくらいにしています。

>> 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A(外部サイトへ移動)

夏場は脱水に注意しながらこまめに水分補給をしよう

この記事では腎臓病患者に水分補給が重要な理由と、私が普段水分補給として飲んでいるものをご紹介しました。

結論としては、腎臓病患者として飲んではいけないものは特にないため、塩分やたんぱく質、カリウムなどの制限を超えない範囲で飲むようにしています。

夏場は特に汗をかきやすいので、沢山汗をかいた日は過度な塩分制限はせずに、程度に水分と塩分を補給するようにしましょう。

みよし
みよし
ただし、腎機能の低下で尿が出にくくなってしまった方や、人工透析をされている方など、主治医から水分量を制限するように言われている方は必ず主治医の指示に従ってください。

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