もっとおいしい腎臓病食

腎臓病患者が腎臓病の食事療法をおいしく続けるコツ、低たんぱく特殊食品や減塩食品のレビューなどを発信しています。

腎臓病患者の私が実践している食事療法について

腎臓病患者の私が実践している食事療法について

このブログでは腎臓病の方においしく食べられる減塩や低たんぱく食などを発信していますが、 この記事では腎臓病患者である私が普段実践している食事療法についてご紹介したいと思います。

この記事を読んで欲しい人

  • IgA腎症、ループス腎炎、糖尿病腎症、間質性腎炎、ネフローゼ症候群などで医師から食事制限を指示されている方
  • これから食事療法を始めるという方や、食事療法をしているが治療効果が出ていないという方

腎臓病には様々な種類があり、またその程度(重症度)も様々です。したがって、食事療法も患者一人ひとり違います。

私が実践している食事療法がすべての方に当てはまるとは限りませんので、著者の体験談として参考にしていただければ幸いです。

自身の判断で食事制限を変えるということは絶対にせず、必ずかかりつけ医や管理栄養士の指導を受けましょう。

著者(みよし)について

私が実践している食事療法について語る前に、著者が腎臓病の食事療法が必要だと思うようになった経緯を説明させていただきます。

少し長くなるので、先に私が実践している食事療法について確認したい方はこちらからどうぞ。

>> 腎臓病患者の私が実践している食事療法

会社の健康診断でクレアチン高値 〜 入院まで

腎臓病に気付いたのは、私が26歳のときに会社の健康診断でクレアチニンが2.28まで上がっていることを指摘されたときでした。 クレアチンは健康な人では1.0以下が正常なため、2.28という数値はCKDのステージ4(高度低下)に相当しました。


もう少し発見が遅れていたら、尿毒症の症状が出て透析が必要になるまで気付かなかったかも知れないので、会社の健康診断で見つかって本当に幸運でした。


すぐに近所の内科に紹介状を書いてもらい、腎臓内科のある大きな総合病院で診察を受けました。 血液検査や尿検査をしましたが、結局、最終判断は腎生検をしないと分からないということで、腎生検のため1週間の入院をすることに。

腎生検をしてすぐに薬剤性の尿細管間質性腎炎と診断されました。 私は学生時代から偏頭痛持ちで市販のロキソニンなどの頭痛薬をよく飲んでいたため、それが原因で薬剤性の腎炎になったのだろうということでした。

ただし、まだステロイドで多少の改善が見込まれるとのことでプレドニン50mgを服用しました。 ステロイドを服用中は易感染状態になるため、最初は腎生検で1週間の入院予定だったのが1ヶ月に延長され、プレドニンが30mgまで減ったので退院となりました。

入院時は2.28あったクレアチンも退院時には1.59まで減少していました。

退院 〜 再びクレアチンが2.0を超える

退院後は主治医から1600kcal、食塩6g、たんぱく質50gの食事制限を指示されたこともあり、家で使っていた調味料はすべて減塩調味料に変えました。


後に判明するのですが、この1600kcalという摂取カロリーは一般の成人男性にはとても少ないものでした。

たんぱく質も控えめにするようにと言われていたので、主食は白米からパックの低たんぱくご飯に変更しました。

しかし、大きな総合病院だったので主治医が転勤で変更になるたびに食事療法に対する見解がころころ変わりました。

医師によってはたんぱく質制限は不要ということを言われ、低たんぱく米はとても高かったので、医師が不要と言うならということで次第に食べるのを止めてしまいました。

そのまま2年が経過し、クレアチンは再び2.0を超えていました。

2年間の間に管理栄養士による食事指導は5回ほど受けましたが、随時尿から推定された食塩摂取量が6gを超えることが少なかったので、管理栄養士からは食塩制限がよく出来ているとお褒めのお言葉をいただくだけでした。

腎臓病セミナーに参加 〜 転院まで

29歳のときに妻と結婚し、結婚を期に腎臓病の食事療法について色々調べていたところ、キッセイ薬品工業が主催している腎臓病セミナーがあるということを知り参加しました。

セミナーでは腎臓病にはたんぱく質制限や栄養計算がとても重要なことや、食事療法で透析を回避できるということを知り、当時私が食事療法に対して疑問に思っていたことがすべてクリアになりました。

すぐに当時の主治医に食事療法について相談をしたところ、この病院には腎臓病に詳しい管理栄養士がいないため、食事指導で栄養計算などの高度な技術は教えることができないことや、積極的な食事療法は行っていないことを伝えられ、食事療法を行いたければ転院を勧められました。


後に知り合いの管理栄養士に聞いたところ、管理栄養士になるための栄養士学校では糖尿病向けの糖尿病交換表などを用いた栄養計算は学ぶが、腎臓病向けの栄養計算は学ばないことが多いそうです。

そのため、腎臓内科の管理栄養士は腎臓病向けの一般的な指導は行えるが、栄養計算などの指導ができる管理栄養士は少ないようです。

その後、病院探しのために食事療法サポートセンターなどの様々な腎臓病の食事療法支援団体に連絡を取り、腎臓病に長けた管理栄養士がいる病院に転院することになりました。

現在

現在の病院では2400kcal、食塩5g、たんぱく質40gを指示され、毎日栄養計算をして、24時間蓄尿で食塩と蛋白摂取量を正確に把握しながら、日々の食事制限を行っています。

前の病院では1600kcalの指示量だったので、カロリーが足りずに痩せてしまうこともあったのですが、正しいカロリー摂取量とは800kcalも差があったのも驚きでした。これでは通りで痩せてしまうわけです。

栄養計算を始めてからは今まで食べていた量と、実際に食べても問題ない量にかなりギャップがあったことに気付きました。 今までは栄養計算もしていなかったので、今考えると当時のたんぱく質摂取量は1日80gを軽く超えていたと思います。

現在は正しい食事療法を実践し、今のところクレアチニンにあまり変化はありませんが、血液検査のBUN(尿素窒素)の値が徐々に下がって正常値になることも多くなりました。

また、食事療法を正しく行うことで蛋白尿が減ったため、腎臓病でありながら、現在は薬を一切飲んでいません。


薬をずっと飲んでいればどんな薬にも少なからず副作用はあります。食事療法によって薬をなくすことが出来たのはとても満足しています。

腎臓病患者の私が実践している食事療法

私が普段から実践している食事療法を紹介させていただきます。

食事療法といっても特別なことをやっているわけではなく、日本腎臓学会のガイドラインで定められている、たんぱく質、食塩、カリウム、リンの制限をきちんと守って実践しているだけです。

>> 外部サイトへ移動(日本腎臓学会発作成の診療ガイドライン)

しかしこれが意外と難しいのです。このブログでは少しでも腎臓病の食事療法をおいしく、楽しく実践するために私が実践していることを紹介しています。

腎臓病患者の私が実践している食事療法
妻が描いてくれた食品成分表のイラスト

たんぱく質制限

たんぱく質は肉や魚以外にも、米、卵、乳製品、大豆、野菜、イモ類に含まれているため、これらの量を制限しています。 主食のお米は低たんぱく米に変え、パンは食塩も含まれているため、普段はほとんど食べていません。

肉や魚などの動物性タンパク質には、必須アミノ酸を豊富に含む良質なたんぱく質が含まれているため、1日のたんぱく質摂取量の6割をこの動物性タンパク質から摂取するように心がけています。

動物性タンパク質が不足すると、短期的にはあまり問題は起こりませんが、長期的には筋肉量の低下やアルブミン(栄養)の低下が起こる可能性があるそうです。

たんぱく質制限といっても、摂取たんぱく質量が低ければ低いほど良いというわけではなく、低栄養にならないように指示量分のたんぱく質はしっかり摂取しています。

たんぱく質制限について紹介している記事

カロリーアップ

食品中のたんぱく質量とカロリー量は相関関係にあるため、たんぱく質を減らすと、摂取カロリーも減少してしまいます。

摂取カロリーが不足すると、体重や筋肉量が減り、体内では筋肉を分解して必要なエネルギーを生み出そうとします。 その結果、たんぱく質を摂りすぎたときと同じように体内の老廃物(尿素窒素)が増えて腎臓に負担がかかります。

必要カロリーはその人の体格や活動量によっても異なります。カロリーが足りているかの確認は血液検査や尿検査では行えないため、毎日体重計で体重を測り、体重が減っていなければカロリーが足りているという判断をしています。

低たんぱく食で不足した分のカロリーアップのために、低たんぱく米などの低たんぱく食品や、エネルギーゼリー、お菓子などでカロリーを補っています。

カロリーアップについて紹介している記事

食塩制限(減塩)

食塩を摂取すると血圧が高くなってしまいます。高血圧は腎臓にも負担がかかるため、食塩の摂取量も制限します。

現在、私の血圧は上が110の下が80ほどで決して高血圧ではありませんが、血圧の推移を把握するために毎日朝晩で血圧を測っています。

食塩制限は調味料を減塩調味料に変えるのと、醤油などの使用量をなるべく減らして、代わりに黒酢を使うなどの工夫をしています。

食塩制限について紹介している記事

カリウム、リンについて

食品中の栄養素は、ほとんどがたんぱく質を相関関係にあるそうです。腎臓病の食事療法で問題となる、カリウム、リンなどもそうです。

そのため、たんぱく質制限を行っていれば、同時にカリウム、リンも制限したことになりますので、 野菜の茹でこぼしなどで意図的にカリウムを減らすといったことはしていません。フルーツなども普通に食べています。

ただし、特にカリウムが多い青汁などは飲まないようにしたり、リンの多い練り物やコンビニ食品は控えるようにかかりつけ医から指示されています。

著者が野菜の茹でこぼしをしていない理由は以下の記事で詳しく解説しています。

栄養計算

肉や魚、野菜など食べる食品は基本的にすべて計量し、毎日、食品成分表で1日に摂取したエネルギー、食塩、たんぱく質の量を計算しています。

人間の目分量は意外と当てにならないもので、ちゃんと計量しないと指示量をオーバーしてしまったり、逆に制限し過ぎて低栄養になってしまいます。

正しく計量、栄養計算することで指示量の範囲内でお菓子なども自由に食べることができるようになります。

著者が実践している栄養計算のやり方については以下の記事で解説しています。

著者の栄養計算のやり方を紹介している記事

24時間蓄尿

計量や栄養計算をしていても、計量や計算の方法が間違っていたりすると、知らぬ間に指示量を超えてしまっていることがあります。

私が通っている病院では、次回通院までの1ヶ月の間に1日だけユリンメートという器具を用いて24時間蓄尿をします。 これを通院時に提出し、24時間蓄尿で測定した1日の食塩摂取量と蛋白質摂取量が自分で栄養計算をした結果と合っているか答え合わせをしています。

これを通院のたびに繰り返すことで、次第に栄養計算の精度が上がっていき、最終的には栄養計算の値と24時間蓄尿の値でほぼ差がなくなるそうです。

自己流の栄養計算や食事制限では指示量をオーバーしてしまったり、必要以上に制限してしまう可能性があるため、管理栄養士の指導のもと、栄養計算や24時間蓄尿を行い、正しい食事療法を行うことが重要だと思います。

24時間蓄尿について紹介している記事