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上月正博先生の「腎臓病は運動でよくなる!」を読みました

上月正博先生の「腎臓病は運動でよくなる!」を読みました

この記事では、上月正博先生の「腎臓病は運動でよくなる!東北大学が考案した『最強の腎臓リハビリ』」を読んだ感想と、その中でも特に参考になった情報を抜粋してご紹介します。

上月正博とは

日本腎臓リハビリテーション学会理事長、アジアヒューマンサービス学会理事長、日本リハビリテーション医学会副理事長、日本心臓リハビリテーション学会理事、日本運動療法学会理事、東北大学医師会副会長などを歴任。

上月正博先生は腎臓病患者の運動療法に着目した「腎臓リハビリテーション」という新たな概念を提唱し、腎機能改善・透析移行防止のための薬物療法、食事療法に続く新たな治療方法として期待されています。

日本腎臓リハビリテーション学会の理事長も努め、同学会のガイドラインでは腎臓病患者に対する運動療法の効果や、具体的な運動方法などが定められています。

腎臓病は運動でよくなる!とは

目次

  1. 慢性腎臓病とはどんな病気か
  2. 腎臓リハビリテーションの効果
  3. 日本腎臓リハビリテーションのやり方
  4. 腎機能をアップさせる生活Q&A
  5. 腎臓リハビリテーションを実践した人の声

この本のポイント

  • 腎臓病の運動療法の権威である上月正博先生が腎臓リハビリテーションのガイドラインで定めている運動療法について腎臓病患者にも分かりやすく解説しています。
  • 本の中では「東北大学式・腎臓リハビリテーション」として「腎臓リハビリ体操」「腎臓リハビリ運動」「腎臓リハビリ筋トレ」を3本柱とした運動療法を提唱しています。
  • 腎臓病保存期の方の運動療法はもちろん、透析中の運動療法についても記載されています。
  • 運動方法の解説では絵や図なども豊富で初心者にも分かりやすく解説されています。

この手の本は民間療法の紹介など信頼性が低いものも多いですが「腎臓病は運動でよくなる!」は腎臓病の運動療法の権威の方が書かれているので信頼性もバッチリです。

参考になった情報を抜粋してご紹介

運動療法による腎機能への影響について

私たち腎臓病患者にとっては一番気になるのは運動療法をすることで腎機能にどういう影響があるのかということではないでしょうか。


運動は腎臓にいいの?
運動すると腎臓は悪くならない?


「腎臓病は運動でよくなる!」の中では運動療法の効果について以下のように書いてありました。

<運動療法で透析を先延ばしできると判明>
運動と腎機能の関係については、ラットを使った動物実験だけではなく、臨床研究も進んできています。
例えば、慢性腎臓病の透析に至っていない保存期の患者さん18名を、2つのグループに分けた実験です。 1つのグループは、通常の治療を行いました。もう1つの グループには、通常の治療に加えて週3回、ウォーキングを1日40分続けてもらいました。
そうしたところ、通常の治療のみをしているA群の腎機能は低下する一方でしたが、ウォーキングを取り入れたB群は、運動開始後、有意に腎機能が改善したのです。
この実験によって、ヒトにおいても、運動療法が腎機能の低下を予防する可能性、ひいては、低下した腎機能がアップする可能性が示されたといえるでしょう。

さらに、台湾では大規模の研究が行われ、貴重なデータが出ています。中国医科大学附属病院の慢性腎臓病の患者さん(ステージ3〜5)、6363名を対象にした研究です。2003年から10年間にわたって追跡調査がなされ、ウォーキングと腎機能、寿命の関係が調べられたのです。
報告によると、ウォーキングをしていた参加者は、追跡期間中に死亡する可能性が33%低く、透析や腎移植を必要とする可能性が21%低かったと報告されています。そして、ウォーキングを頻繁に行う患者ほど、その効果が大きかったのです。
逆にいえば、ウォーキングを含む腎臓リハビリテーションを行うことが、10年間の死亡リスクを33%、透析への移行率を21%低下させる、つまり、先延ばしできると示されたのです。

腎臓病は運動でよくなる! P73

腎臓病の人が週3回、ウォーキングを1日40分続けるだけで1年ほどで腎機能が改善したそうです。

また、運動療法によって腎機能が改善するだけではなく、慢性腎臓病を悪化させる生活習慣病やメタボ症候群(糖尿病や高血圧、肥満など)を予防、改善する効果も期待できます。

これは運動療法をすることで全身の血流が促進され、内臓脂肪の減少したり、血圧や血糖値の調整に役立つためです。

こうした腎臓病患者に対する運動療法の効果が認められ、日本では2016年4月から慢性腎臓病の保存期の患者が、腎臓リハビリテーションの運動療法を行う場合、eGFRが45未満の糖尿病性腎症に限って健康保険が適用されるようになったそうです。


腎臓病患者の運動療法についての研究が進み、日本でも徐々に運動療法の効果が認められてきているようですね。

運動療法(腎臓リハビリテーション)について

運動が腎機能改善に効果が出ていることは分かりましたが具体的にどんな運動療法をすればいいのでしょうか。

「腎臓病は運動でよくなる!」では運動療法として「東北大学式・腎臓リハビリテーション」が紹介されていました。

「東北大学式・腎臓リハビリテーション」の運動療法は以下の3本柱で構成されています。

  • 腎臓リハビリ体操
  • 腎臓リハビリ運動
  • 腎臓リハビリ筋トレ

1つ目はウォーミングアップに当たる「腎臓リハビリ体操」、2つ目はウォーキングなどのゆるやかな有酸素運動で構成される「腎臓リハビリ運動」、3つ目は筋肉を鍛える「腎臓リハビリ筋トレ」です。

とはいえ、これらの運動をいきなりすべて行う必要はなく、都合や体力に合わせて無理のないスケジュールで行うのが良いそうです。

一つ一つの運動もウォーキングやスクワット、足上げなどの運動で構成されているため、簡単な運動から少しずつ続けていけそうですね。


腎臓リハビリテーションで最も重要なのは短時間でも毎日「続ける」ことです。

腎臓リハビリテーションがオススメできない人

腎臓リハビリテーションは比較的簡単な運動で構成されていますが、運動療法がオススメできない人もいるそうです。

「腎臓病は運動でよくなる!」の中では以下のように記載されていました。

<リハビリテーションをする際の注意点>
残念ながら、腎臓リハビリテーションをすぐにはお勧めできない人もいます。

まず、生活習慣病の数値が高いかたです。

「高血圧で最大血圧が180mmHg以上」
「糖尿病で空腹時血糖値が250mg/dl以上」

に該当するかたは、まず薬物療法や食事療法によって、数値をこれらよりも下げる必要があります。

そのほか、腎臓リハビリテーションのできない症状は、次のようなかたたちです。

・急性腎炎
・ネフローゼ症候群
・心不全や狭心症などの心臓病で症状が安定しない人
・急激に腎機能が悪化している慢性腎臓病

腎臓病は運動でよくなる! P115

他にも透析患者が運動療法を行う場合には注意点があるそうです。詳しくは「腎臓病は運動でよくなる!」を参考にしていただければ幸いです。


いずれの場合でも、安静第一だった人が腎臓リハビリテーションを始める場合は必ず主治医に相談することをおすすめします。

運動不足の人は腎臓リハビリテーションを試してみては

この記事では、上月正博先生の「腎臓病は運動でよくなる!東北大学が考案した『最強の腎臓リハビリ』を読んだ感想などを紹介しました。

今回は主に腎臓リハビリテーションの概要や、運動療法による腎機能への効果などを中心にご紹介しましたが、詳しい運動方法を知りたい方はぜひ本を手に取ってみてください。

最近は腎臓病の治療として薬物療法、食事療法以外に「運動療法」に取り組む病院も増えてきている印象です。

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実際に私が現在通院している病院でも数ヶ月ごとに筋肉量測定などを行い、それぞれの患者に合った運動方法の指導を受けています。

私が病院でどんな運動の指導をされたかは以下の記事に書いているので興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

>> 2019年9月外来受診【運動方法の指導を受ける】


最近は運動を積極的に行った月は血圧がかなり安定するようになってきました。